あれ?何かがおかしい②

わたしのちょっと前に入社した女の子がいた。

 

席がとなりだったこともあり、とても仲良くなりお休みの日も遊ぶようになった。

これがとても優しくてまっすぐなだけじゃなく、フクシソウタとノウネンレナ(漢字がわからない)に似ている美形な子だった。

天は2物も3物も与えるもんだと思った。

 

わたしが入社して2週間程度経過した時のランチ中に彼女がこう言った

 

「経理さん(わたしのこと)、わたしあの会社おかしいと思うんです。」

反射的にわたしも

「のうねんさん(彼女のこと)、実はわたしもそう思ってるんです。」

のうねんさんは、わたしの言葉にうなずきこう続けた。

「ハロワに出てた内容と違うんです。例えば残業なしって書いてたし、面接の時もそう説明されたのに休日出勤までしてるんです。それに社会保険にいれてもらえないみたいなんです。」

※以下、のうねんさんの発言はN、わたしの発言はWと先頭に記載する

 

よく考えたら彼女から年金番号とかの書類を貰ってないし、雇用保険の手続きもしてないなとなった。

W)「申し訳ない、すでに社長が対応されてると思ってました。じゃあすぐ対応しないとまずいですよね。っていうか、そもそもどういう条件でここきたんですか?」

N)「ハロワでは、残業は月20時間あるなし、給料は175千円、資格手当5千円、各種社会保険有りっていう感じですかね。」

W)「すでに何個か違反してますね。そういえば、うちって給料が25日〆の翌月末支払みたいですけど大丈夫ですか?」

N)「それもきついんですよね。貯金があるから大丈夫です。心配してくれてありがとうございます。それより社会保険ちゃんとしてもらわないと不安で働けないです。」

W)「そうですよね。のうねんさん一人暮らしだからちゃんとしてないときついですよね。のうねんさんの件も気になるんですけど、わたしはまったく別件が気になってます。

毎日朝と昼と最後のミーティングで1時間以上演説して人を馬鹿にしてる人いますけど、あれOKなんですかね?

っていうか、そもそもそない話すことありますかね?時間ないっていうてるのにあれ無駄ですよね?」

N)「経理さんもそう思ってたんですね。実はわたしもすごく気になってたんです。あれだけ大きな声をだされたらびっくりするし、怒られるかもしれないから怖くて質問も出来ないんです。それに業務マニュアルがなくて困ってるんです。なんだか思ってた会社じゃないんです。。」

 

それから1か月もたたない位で彼女は過労がたたり体調を崩し、会社を休んだ。


初日は会社に連絡がきたが、二日目は会社からの連絡後に休むとなり、三日目は連絡が取れなくなった。

但し、わたしとは連絡がとれている状況だったので、社長からマンションに行って彼女が辞めないように説得してこいと指示を受けた。

仕事は好きとは言ってくれてたし、わたしが彼女と一緒に働きたかったので、会社が彼女に負荷の高い仕事を振らなければ、帰ってきてくれるかもと比較的軽い気持ちで彼女の自宅にいったのだが、彼女の疲れ果てた顔を見た瞬間に

 

 

W)「よし、のうねんさん。会社辞めよう!」

 

 

わたしは社長の指示とは真逆のこと口走っていた。